星空に触れて-90-

すると、一分もしないうちに野崎からの返信が来た。

【電話してもいい?】

本文を見た瞬間、ドキリとする。
野崎のあの優しい声が、『電話してもいい?』 と耳元で囁いたような気がした。

もう動揺しないって思ったのに・・・。
メールなら大丈夫だって、思ったのに・・・・・・。

たった数文字の本文にあたふたとする自分が悔しくて、上総はあくまでメールで返信した。

【時田さんのことを教えてください】

それでも野崎は野崎で電話にこだわる。
【メールは残る、電話にしたい】

確かに・・・。
真島が言うように直接逢うことが禁止されるような状況なら、メールに残るのを気にするのは分かる、けれど・・・。

どうしよう・・・。
やっぱり、話なんてできない気がする。

悩んだ挙句、上総は勇気が出ずに話を終わらせることにした。

【今日はもう遅いので、後日連絡します】
もう夜も11時を過ぎているし、十分な理由になる。

送信して、上総はそのままベッドにバタリと倒れこんだ。
手の中の携帯を放り出して、少しだけ跳ねる様子をぼうっと眺める。

けれど、しばらくするとまた携帯が振動を始めた。

えっ・・・。

それは電話の着信で、液晶には『野崎聡示』の文字が表示されていた。

野崎と対峙することを逃げるように避けたのを見透かされたようで、上総は大きな溜息をついた。
指先でのろのろと携帯を手繰り寄せる。

・・・仕方が無い、話をしよう・・・。

どんなに辛いことになっても、苦しむ時間は短い方がいい。

上総は覚悟を決めて通話ボタンを押した。
耳に当てて、じっと、待つ・・・。

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Posted at 2009.05.27 (11:48) by () | [編集]
>秘コメのMさま
ようこそお越しくださいました!コメントありがとうございます☆
> 「そうよ、電話かければいいのよ」と思いました。
そうなんですよね。冬実もそう思います。
ですが上総は・・・ 何もかも信じられないって思ってしまったんですね、、可哀想に・・・・
(えぇ、私のせいですが・・・汗)
> この野崎上総の二人はぁ!なんでこんなに甘いのぉ!切ないのぉ!ロマンチックなのぉ!
おおお!そう思って頂けましたか?!そう感じて頂けましたか?!
何て嬉しいお言葉なんでしょう・・・感涙。まさしく二人のキーワードは 『甘い』 でございます!
>電話かけるまでがすでに何かのプレイになってる…。
ここは冬実も愉しみたい過程の1つでありまして☆ 声を聞いてまた囚われる。 うん、イイ(爆w)
>悲劇のどん底でさえ甘い。これは冬実様ワールドなんですか?それとも野崎上総ワールド?
これはですね、 『冬実が好きな展開で翻弄される野崎上総ワールド』 です!
どんな時でも思い合っていて欲しい、それが冬実の好きな 『甘さ』 でございます☆
>現実的な真島も魅力的なキャラにお造りになってる所をみると、冬実様自身はクールな人なんでしょうか。
真島ファンが増えてくれると実は冬実も嬉しかったりします☆VIVA真島!
冬実自体は、、、、ただの妄想人間のようです(爆笑ww)

こうやってお話を気に入って下さる方がいらっしゃると思うと、今日も元気に生きていく喜びが生まれます☆ありがとうございます! m(・ー・)m
またのお越しをお待ちしております!
Posted at 2009.05.27 (12:56) by 冬実 (URL) | [編集]
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