コナの秘密


『もしもし、聡示さん?』
『おかえり上総』

毎日お決まりの二人の電話。
テーマはいつも 『今日の上総』。

『今日はどうだった?』
『今日は、いつもどおりでした。いつもどおり講義が終わって・・・バイトへ行って、真っ直ぐ帰りました』

『カッコいいお兄さんに話し掛けられなかった?』
『はい』
『キレイなお姉さんは?』
『会ってないです』
『年下の子は?』
『たくさん会いますけど、誰とも話はしませんでした』

『そうっか。今日も上総が無事でよかった』
『はい』

必ず聞かれることも決まっていて、聞かれる順番も覚えてしまった。

でも今日は・・・

『あの・・・ 僕 聡示さんに聞きたいことがあるんです』
『なに?』

ずっと気になっていた事を聞いてみたくなった。

『聡示さんは、どうしていつも コナ なんですか?』

恋人のお気に入りのコーヒーは コナ。
煎りの具合から豆のグレードまで品揃えの多いメニューから、どうしてそれを選んでいるのか。
特別な思い入れがあるのかもしれない。

『味も好きなんだけど・・・ 僕はあのカップが気に入って、だから好きなんだ』
『カップ、ですか?』

マスターの黒田が細部にまで拘るあの店のコーヒー。
その品ごとに使うカップも決まっている。

『あの・・・ 紺色の絵柄が良かったんですか?』
『・・・絵柄より、形が良いんだ』

恋人の声が・・・ ちょっと 甘くなった・・・・

『あのカップは、あの店で一番 口が広くて、薄い、繊細なデザインをしてるんだ』

確かに。
あの1杯を運ぶ時にはとても緊張する。

『あのコーヒーを運ぶのは、大変なんだ』
『そうです、けど・・・』

少しでも大きな振動を立てると、波の形をした口から 中身が溢れてしまいそうになる。
でも・・・ そんな理由?

『すごく気を使うから、運ばれてくるのに時間が掛かる』

硬い携帯のむこうから、 深くて 甘い声がする。

『僕のところへやってくる 上総の姿が、 一番長く見ていられる カップなんだ 』
『ぁ・・』

『だから僕はコナが好きなんだ』
6000 Hit Thanks! 野崎&上総 たくさんの読者様との出会いをありがとう!
(始めてのSSデビューです /// )

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Posted at 2009.06.12 (17:42) by () | [編集]
>秘コメのfさま
おおお!お越しくださってありがとうございます!
> アマ~いですね、むは~っ(爆
えぇえぇ、すみません。噛めばジャリっと音がするくらい甘いカップルを目指して育てておりますw
> 野崎と上総のカプ、大スキです。
ちょこっとでも気に入って頂けたなら嬉しいでっす。
貴ブログ様からパワーを補給しながら頑張ってます☆ フフフっ♪♪♪
Posted at 2009.06.12 (17:51) by 冬実 (URL) | [編集]
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