天の川のむこう-20-

※閲覧には制約(R禁含め)があります。トップページの注意事項を確認してください。

金曜日。
上総は大学から飛び出すようにして急いで家に帰った。
着替えだけを済ませたあと、友達の所に泊まってくると祖父母に断りを入れてそそくさと家を出た。
一度外泊してしまうと慣れるせいか、あれほど上総を苦しめた罪悪感は嘘のように感じなくなっていた。
あれから2週間ぶり。
もう声を聞いているだけでは嫌だった。
逸る気持ちを抑えながら、上総は野崎のマンションまで急ぎ足で辿り着いた。

相変わらず広すぎるリビングと寝室の空調を入れて、バスルームへ向かう。
シャワーでていねいに体を洗い上げて、肌触りの良いバスローブに身を包むと、体の緊張も解けていく。
むっとしていた部屋にも空調が効き始めて、ソファーに座っていた上総はだんだん眠りに誘われてしまった。
(また、寝ちゃう・・・・・・)
意識がうつろになり始めた上総は、ノロノロ立ち上がって寝室へ向かった。
右側を半分空けて大きなベッドにもぐり込んで・・・
(あ・・・聡示さんの・・・)
ふわりと野崎の匂いに包まれて、上総は心地よい眠りへ落ちていった。



◆=◆



ぴちゃりと何かが瞼に触れる感触で、上総は目を覚ました。
「ぅん・・・・・・」
寝返りを打とうとして身動きが取れなくて、何度か体をよじっているうちに、少しずつ意識がはっきりしてくる。
「おはよう」
野崎の声が間近に聞こえたかと思ったらまた視界が閉ざされた。
やんわり瞼に触れていたのは野崎の唇だった。

「おかえりなさい・・・聡示さん」
覆い被さっていた野崎の顔を明るい視界でしっかり捉えて、上総は思わずその顔に見惚れた。
(こんなに・・・カッコよかったっけ・・・)
2週間ぶりに見る大人でカッコいい恋人は、まだ髪が少し濡れていて、今日は妙に・・・色っぽい。
逢えなかった時間が蜜のような甘さを持って、野崎をさらに愛しく思わせた。
(ドキドキする・・・)
「ただいま。いい子にしてた?」
優しい笑顔で聞いてきて、上総が返事をする前にくちづけが落ちてくる。
チュっと音を立ててすぐに離れた唇は形良く引き締まっていて、自信たっぷりに口角が引き上げられた。
身体が触れる距離にいられることが嬉しくて、上総はそっと野崎の背中に腕を回して抱きしめた。

「また・・・寝ちゃいました」
野崎のきれいな指先が 優しく頬を撫でていく感触が 心地良い・・・。
上総は野崎の指に自ら頬を寄せるように顔を傾けた。
「良いんだ。寝てる間も楽しかったしね」
クスリと笑って野崎は上総の額にキスをした。
「え?」
野崎はゆっくりと上総の耳元へ唇を寄せる。
「今日は・・・上総とどんなことしようかって・・・、ずっと考えてたら・・・楽しくて」
しっとり色めいた声で囁かれて、上総の身体の奥に小さく火がついた。
「聡示さん・・・・」
トクントクンと響き始めた鼓動が、上総の気持ちを一層高ぶらせる。
耳元に寄せられていた唇が戯れのように耳朶に吸い付いて、舌先がチロリと表面を撫でていった。
「ぁっ・・・」
野崎によって開拓された上総の身体は、掠めるような些細な刺激も敏感に感じ取ってしまう。
「たくさん、考えたからね・・・」
耳朶を含んでいた唇が耳の形を辿るように動きだして、熱を持った舌は中まで入り込んで、内側をねっとり舐められた。
「ぁ、ぁっ・・・」
背筋を駆けた甘い痺れは足の先まで突き抜けて、熱い夜の始まりを感じさせる。

「寝る子は育つって言うからね。どのくらい成長したか、確かめようか・・・」
「・・ぇ・・・?」
「電話の続き」
そう言うと、野崎は二人分のバスローブを一気に剥ぎ取った。
ぴったりと素肌を合わせて上総の上に乗りあげてくる。
「・・っあのっ!!」
「何?」
思わず野崎の胸に両手をついて突っ張った上総を、憮然とした野崎が見下ろした。
不機嫌を丸出しにした射るような目に気圧されてしまう。
野崎の瞳の奥はもう燃え始めていて、雄の気配が立ち込めていた。

「あのっ・・・明るい、です・・・」
照明は一番明るく設定されていて、部屋じゅうを隈なく照らし出していた。
「うん」
上総の言葉は全く意に介していないように、野崎は突っ張っていた上総の左手を掴んでそのままベッドへ縫い付ける。
「 『うん』 って・・・、あのっ・・・暗く・・・っ、してください・・・!」
こんな明るい中でそういうことをするなんて、とても耐えられない。
上総は残った右手で何とか野崎の胸を押し上げながら抗議した。
「それじゃ見えなくて確かめられない」
サラリと上総をあしらって、野崎は残った右手もベッドへ縫い付けた。
(こんな明るいところでなんて・・・っ、絶対に・・・無理っ!)
野崎の唇が近づいてきて、上総は思わず声を上げた。
「あのっっ・・!待ってください!」
上総の抵抗にギラリと目を光らせた野崎は、掴んでいた上総の両手を頭の上に引っ張り上げて縫い付けた。
しっかりと体重も乗せて上総の動きを封じる。
「できない」
強い視線を合わせたまま、にべもなく拒否される。
「そんなっ・・・、待ってっ!」
それでも上総は弱々しく首を振って抵抗した。
「お預けはもうムリだ」
野崎は上総の制止を押し切って唇を寄せてくる。
「で、も・・・」
触れる寸前、上総はもう一度だけ縋る思いで訴えた。
「・・・すぐに 分からなくなるから・・・」
野崎は尚も抵抗しようとする上総の唇を自らの唇で塞いで黙らせた。

目次へ...

Leave a comment

Private :

Comments

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
12 02