星空に触れて-107-

そわそわと、模型を見ては足元を見て、またシャツの裾を掴んでは離している。
こういう仕草をするのは、上総が盛大に照れている証拠。
そんな姿が可愛くて、野崎はつい困らせてしまいたくなる。

「他の連中が居なかったら、絶対キスしたいのになぁ」
今度はどんな愛らしい反応をするか。

野崎は上総の答えが待ち遠しい。
少し間があって、
上総は聞こえるか聞こえないかという声で答えた。

「・・・そう・・・です、ね」

「ぇ・・・?」
その言葉に、野崎はハッとなって上総を見た。
「ぇっ・・・?」
野崎の反応に、上総も思わず野崎を見上げる。

瞬間、絡まりあった二人の視線を伝って、ほの甘い想いが脈々と行き来する。

無意識に・・・
上総は、潤んで危ういほど無防備な眼差しをそっと寄り添わせてしまう。
そんな上総を、野崎は深く強い視線で掬い上げるように絡め捕る。

この部屋には他にも人が居るというのに、二人は絡まった視線を自ら解くことができず、互いに心の中で焦りに焦った。

(上総、それは反則だって・・・)
(そんな目で、見ないでください、聡示さん・・・)

上総も野崎も互いの瞳にしっとりと囚われてしまって、抜き差しなら無い状態になった。
白く輝く模型だけが、そんな二人を静かに見つめている。

そのとき。

「あー、コーヒーでも飲みたいなぁ」
真島が大きな声を出して、上総と野崎はハッと我を取り戻した。
「僕も賛成です。コーヒー淹れましょうよ」
続いて聞こえてきた水元の声で、完全に元に戻る。

「参ったな・・・。戻ろうか」
野崎が照れくさそうに言った。
「・・・そうですね」
上総も頬を真っ赤にして頷いた。

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