星空に触れて-102-

「時田が来たときのことを話して欲しいんだけど、いいかな?」
真島が真剣な表情で聞いてきたとき、突然ドアをノックする音がした。

スッと、上総の肩に回されていた腕が外される。
「入ってくれ」
さして驚きもせず、野崎がドアへ向かって声を掛けた。

こんな夜中まで仕事をする会社なのかな・・・?

ドアが開かれると、男性が3人入ってきた。

「遅くなりました」
一番背の高い、短髪のスポーツマンらしい男が先頭になって入ってきた。
「ご苦労様です」
真島が3人に向かって一礼した。
「遅くまですまない。掛けてくれ」
野崎がソファーへ促す。

真島の隣に2人、野崎の隣に1人が腰を下ろした。

「こちらは・・・?」
3人のうち、一番年長と思われる柔和な顔をした人が聞いてきた。
「例の、協力をお願いすることになった、マンションの被害者の方です」
真島が答えた。
すると3人がハッと息を飲んで上総に目を向けたのが分かった。
「真島・・・」
野崎が鋭い表情で真島を見る。
「そうするしかない」
真島は険しい顔でひとこと言って、野崎に頷き返した。

『協力をお願いすることになった』というくだりに引っ掛かりながらも、上総は挨拶をした。

「あの、槙村、です・・・」
しどろもどろになりながら、名前を言って一同を見渡して一礼した。
「こちらから藤堂さん、甲斐さん、水元君。」
真島が手短に3人を紹介した。
面々は上総に向かって『どうも』と挨拶をした。

「あれ・・・?たしか『相沢さん』じゃないんでしたっけ・・・?」
『水元君』と呼ばれたその人は、上総といくらも歳が違わないような外見をしていて、何となく親近感を覚えた。
「えと、相沢は、母方の姓です。母方の祖父母の所に住んでいるので、僕とは姓が違うんです」
上総は自分で答えた。
「あ、そうだったんですね。すみません」
そういって苦笑した顔は、さらに水元を若々しく見せた。

「じゃ、本題に。時田が来たときのことを話してほしいんだ」
真島が改めて仕切りなおした。

「えと・・・。僕はその場に居なかったので、これは祖父から聞いた話になるんですけど・・・」
そう言って、上総は祖父から聞かされたとおりに話をした。

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